種菌育成のこだわり
私たちのこだわり
私たちは、菌類学分野において実績のある日本きのこセンターの全面的指導を受けながら、椎茸等きのこの原木栽培用種菌の育成を行っています。
日々、品質の向上や管理体制充実に力を注いでおり、原種菌の培養から、品質検査、貯蔵に至るまで万全の体制の下、種菌育成に取り組んでいます。
自然本来の原木栽培を目指して
椎茸(食用きのこ)栽培は、原木栽培と菌床栽培とに大別されます。
菌床栽培は木材のチップやコーンコブなどに栄養剤を加えた培地で発生させる施設栽培になります。 発生は早期で、一年間安定的な収穫が可能です。
一方原木栽培は、きのこの種菌をクヌギ・コナラなどの原木に植え付け、収穫する自然に近い栽培方法です。基本的に手作業が中心な事に加え、自然に対応した生産技術が必要な”手間暇かけた栽培法”であると位置づけられます。 それでも、椎茸や各種きのこの中で原木栽培にこだわり続けるのは理由があります。
原木栽培にこだわる理由
●味・香り・食感の違い
4か月から5か月程で収穫が見込める菌床栽培に対し、原木栽培は植菌から約2年間もの時間が掛かりますが、じっくり手間を掛けて育てた分だけ旨みや香が凝縮されています。
●安全・安心感の違い
菌床栽培とは異なり、原木栽培では広葉樹の原木だけを使って、より自然に近い形で栽培する為、安全性やお客様の安心感が格段に違います。
●循環型農林業への寄与
原木栽培は里山での生活と日本の森林を守り育ててきました。 森を守り育てることは農林業の生活を豊かにするだけでなく、漁業にとっても海の活性化につながり、結果海で生活する人々の暮らしも豊かにします。多様な生物が生息する豊かな生態系を守り、将来子供達が安心した環境で暮らせることにもつながっています。
機能的で量産的に生産する事だけで良いということではなく、自然環境、生活環境など全体へ配慮しながらのあるがままの自然に近い栽培にこだわっていきたいと考えています。
環境のこだわり
製法のこだわり
菌の仕込から製品を出荷するまで、段階ごとに厳しい検査を行い品質維持に努めています。 自然に優しい栽培をモットーに私共の工場では薬品の添加は一切行わず、安全性を第一に考え、熱殺菌処理を施しています。
厳選したブナ材を削り、乾燥されたものをストックしています。
培養に先立ち、原駒を水に浸漬し、養分を添加します。フィルター付き耐熱袋に充填し、高圧蒸気で滅菌します。
保存ボトルより取り出した菌糸は、試験管次いでガラスボトルで培養し、原菌を調製します。その間、次に挙げる品質管理上の試験を行います。
主として、生理生化学試験(菌糸伸長速度、木材腐朽力、温度耐性 等)、および、各種の方法による子実体(きのこ)試験を行います。
各種試験を行い、調整された原菌を接種に使います。
21℃±1℃、RH=50%から60%で、種駒は45日から55日、おが種菌は45日から60日間培養します。その間、定期的に培養状態の検査を行います。
培養の終了した種菌は、最終検査を行ったのち1℃から3℃で冷蔵保管します。
注文を受けたら、もう一度貯蔵中の変化のないことをチェックしたのち、包装し出荷します。
品種のこだわり
原木椎茸栽培用の品種を数多く育成してきました。
生産者にとっては多収が望めるもの、消費者にとっては、おいしさはもちろんのこと、生活様式の多様化に伴う健康機能性成分の追求やニーズの変化に応えるための品種の開発が期待されています。